銀行と消費者金融の関係

銀行と消費者金融は提携関係にある?カードローンの実態

以前は銀行と言えば企業の中でも最も信頼のおけるところで、銀行員は社会的ステイタスも非常に高いものでした。それに対して消費者金融は当時はサラリーマン金融(通称サラ金)と呼ばれ何かあるとすぐに怖いお兄さんが出てくるというような最も信頼できない企業の代表のように考えられていました。

しかし、消費者金融のキャッシングローンは非常に使い勝手がよく利用者が増えてきたため同じ金融機関である銀行も指をくわえてみていることができなくなってきたのです。

裏社会との関係を断つ

以前の消費者金融が裏社会と繋がっていたというのは本当で、現在でも抜けきれない中小の消費者金融もあります。これは返済できず不良債権化したものを消費者金融が裏社会要するに暴力団に売り、これを暴力団が何が何でも回収して資金源にしていたためです。

しかし法的な規制も強化され、事業規模も拡大して上場を目指すようになると裏社会との繋がりが邪魔になって大手の消費者金融ではこの繋がりを断ち上場を果たすようになりました。

TVCMでイメージチェンジ

それでもおいそれとは過去のイメージを払拭できるものではありませんが、ここで登場したのが女性タレントを使った好感度抜群のTVCMです。このCMは某大手消費者金融のものでしたが、当該消費者金融だけではなく消費者金融業界全体の暗いイメージを吹き飛ばして誰にも親しみやすいイメージを植え付けることに成功しました。

この他窓口に行かなくても契約できる無人契約機の設置など様々な努力の末、キャッシングローンの利用者は大きく増えることになりました。

銀行が危機感を感じ始める

キャッシングローンの利用者が急激に増加してくると、当然ですが銀行は顧客を奪われることになって危機感を持つようになります。そこで銀行でも同じような金融商品を投入しようと考え始めることになります。

しかし銀行のローンというのは担保と保証人があって初めて貸し出せるものしかなかったため、これらを必要とせず信用保証を行うようなローンを作るノウハウが銀行には存在していませんでした。そこでそのような信用保証のノウハウを持つ消費者金融との提携を模索し始めます。

利害が一致

消費者金融側ではいくら利用者が増えているからと言っても、従来のイメージはどうしても残るため、さらに信用度を上げるために銀行を利用することは十分にメリットのあることでした。

そこで銀行系カードローンが誕生し、その信用保証業務を消費者金融が行うようになりました。つまり以前は全く企業の立ち位置が違っていた両者が提携するという構図が出来上がったわけです。以前の人が見れば信じられない状態でしょう。

グループ化

しかしこの後、貸金業法が改正されグレーゾーン金利が違法になって、過払金の返還請求が相次ぐことになり消費者金融は経営が揺らぐことになりました。そこでノウハウを利用している銀行は倒産されては元も子もないので、消費者金融自体を子会社化してグループ企業にするか、吸収してしまうことにしました。

このため以前は大手消費者金融のキャッシングローンだったものが、よく調べてみると現在では銀行系のローンだったりする場合も存在します。